おけらの歌

おけらだってと歌うけれど

きっと君は僕を知らない

君の踏みつけた土の下で

僕は小さく蹲っていた

 

君がカーテンを開けて

朝の眩しい日差しの中に

新しい君を見つけるように

僕も枯葉のベッドを押し上げて

お日様の柔らかいシャワーの中に

新しい僕を発見するのだ

 

いったい人は夢を見るだろうか

ーー僕にはわからない

いったいおけらは夢を見るだろうか

ーーどんなに頭を捻っても、君にはわからないだろう

僕は夢を見る

優しい午後のゆったりとした物語

底冷えする夜に青白い星の煌きを仰いで

君と同じ夢を見ているかもしれない

 

おけらだってと歌うけれど

いつかはきっと歌うだろうけれど

君はそのヘタクソな歌声の中に

新しい君を見つけるだろう

僕も僕のヘタクソな歌声の中に

新しい僕を発見するのだ

 

いま、新しい宇宙の

ヘタクソでツタナイ歌声が

僕の心に響いてくる

君にも聞こえているだろうか

ほら、耳を澄まして

 

(2015年5月20日)