青空
しっかり地に着けていたはずの足が
ときおりふわっと宙に浮かぶ
わたしは上手にお空を歩けないから
何にもないのに転んでしまいそうになる
戸惑う蜜蜂を一匹捕まえて
正しい歩き方を教えてもらった
ガラスでできたお空の梯子を上って
わたしは初めて地球を見下ろした
地球は青いと言うけれど
――いまはどうしてもわたしのほうが青い
地球は飴玉に見える
――どんな味がするのか、知っていたはずなのに思い出せない
わたしは青い、青い、お空に浮かんでいる
わたしは青い、青い、お空に透き通っている
ふわっと宙に浮いていたはずの足が
ときおりしっかり地面を踏みしめる
わたしはそれでも転んでしまうことがある
小さな石ころに躓いて転んでしまうことがある
誠実な蟻を一匹捕まえて
正しい歩き方を教えてもらった
確かに繋がる大地を踏みしめ
わたしは今日もお空を見上げた
青い、青い、お空を見上げた
(2015年5月21日)