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呉須郎:「マヨネーズをブロッコリーにかけて食べるというのはいかにも貴方らしいことだから、私には到底真似できないことですが、と言いつつ、私もジャガイモにマヨネーズをかけて食べるのは好きなのでございます」
素寒貧:「でも、マヨネーズはニワトリの卵からできるのですよ? あの、赤い冠を乗せた」
呉須郎:「そうそう、それが私には怖い。でも、マヨネーズは白いから怖くないのです」
素寒貧:「じゃあ、油は? サラサラの油がドロドロになるのは怖くないのですか?」
呉須郎:「うん、それはですね、怖くないんです。だって、サラサラがドロドロになるには時間がかかるから。時間がかかるものは怖くないんです」
素寒貧:「じゃあ、それと同じ理由で、貴方は鍾乳洞の石筍も怖くないと言うことですか……」
呉須郎:「ええ、まさに。石筍こそ時間がかかりますからね」
素寒貧:「でも、貴方は怯えているように見えるのですが……」
呉須郎:「なんの。怯えるのと震えるのは、これ、違うことでございます。私は震えておるのでございます」
素寒貧:「では、貴方は何故震えておるのでしょうか?」
呉須郎:「震えるはこれ、なぜなら、震えることで我らは殖えるからでございます」
素寒貧:「殖える、と。殖える、は悲しいことですなあ(感嘆)」
(2015年7月28日)