こひぶみ

 茹だるように、ホント、茹だるように蒸し暑いじゃないですか、あ、ナカヤマさんって「茹でる」って、<ゆでる>って読みますか、それとも<うでる>って読みますか? えっと、わたしは<うでる>って読むんですよ、はい、そうです、「茹で卵」は<うでたまご>って読みます、<うでたまご>って可愛くないですか?、なんか、<ゆでたまご>は一つ食べきるのも大変だけど、<うでたまご>なら5、6個は食べられそう、え、ナカヤマさん、わたしの言ってることわかりませんか?、あー、ナカヤマさんなら分かってくれると思ったのになー、そうですかー、ナカヤマさんは<ゆでたまご>って読むんですかー、でも、今度からは<うでたまご>って読むことにしてくださいね、そのほうが可愛いから、ナカヤマさん可愛いの似合いますし、わたし、可愛いナカヤマさんが好きですし、あ、そういえば思い出したんですけど、「茹でる」を<うでる>って読むのは別に方言とかじゃないんですよ、なんかどの地域でも局所的に<うでる>って読む人たちがいるらしいんです、わたしは、わたしのお母さんは<ゆでる>って読むんですけど、おばあちゃんが、父方のおばあちゃんが<うでる>って読んでたので、それに影響されて?――っていうか、なんとなくおばあちゃんがそう読んでるのが田舎っぽくてダサくて可愛いなって思って、因におじいちゃんはなんて読むのかちょっとわからないんですよね、おじいちゃん、わたしが小さい頃に亡くなっちゃったので、思い出なくて、あ、思い出って言えば、「思ひ出」って書くの可愛いですよね、これもナカヤマさんに使って欲しいです、是非。

 

(2015年5月25日)