暑すぎて時間の感覚が歪み、昼頃にシャワーを浴びたら、一日がもう終わりに差し掛かろうとしている。わたしの脳みそが溶けてしまったのか、それとも世界の方が溶けてしまったのか、よくわからないが、というか、今日の暑さはそういう何かを溶かしてしまうような暑さではなくて、本当は、じっとりとした蒸し暑さ。毛穴から汗が少しずつ染み出てきて、とくに首の周りが痒くなる。わたしはこうもぐったりとしているというのに、蚊はやけに元気に飛び回っていて、わたしの耳元をちらつく。腕を差し出してみても、何故か躊躇して、なかなか刺して来ない。伸びっぱなしのちぢれた髪の毛が乾きはじめ、頬と首をいやらしく撫でる。髪の毛はもうとっくに切ってしまいたいと思っているのだが、へんに伸ばしてしまったせいで、切りにいくことができなくなっている。ドライヤーで早く乾かしたほうがいいのだろうが、いまこの状態でドライヤーの熱風を浴びたら、それこそ溶ける。あるいは、汗でびっしょりになる。もう、いっそのことクーラーを入れてやりたい。でも、妙な良心がそれを咎めている……。

 

(2015年6月13日)