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 助詞を削って話す/書くとき(それは原理的に可能であるはずだ)、当然、発話した/書いたものは文にならないのだから、伝達内容は曖昧になるけれど、決して伝わらないというわけではない。例えば、<わたし/食べる/怪獣>と書いてみて(伝達して)、たとえ被伝達者が「わたしが怪獣を食べる」のか或は「怪獣がわたしを食べる」のかわからないとしても、少なくとも複合した<わたし>と<食べる>と<怪獣>の全体が伝達されているのであり、その全体は非伝達者にとって表象可能なものなのである。そして、それらの全体性は助詞によって繋がれていない分、規定された文よりも開放的なのであり、怪獣が吼えるのである。

 

(2015年5月8日)